2. Naumburg

 

  ニーチェにとってNaumburg(ナウムブルク)とは?

 

 父の死後、18504月にニーチェ一家はレッケンからナウムブルクの祖母・叔母のもとに移り住みます。
 そして185810月にプフォルタ学院の寄宿舎に入るまでの子供時代を、ニーチェはナウムブルクで過ごしました。1858年に現在博物館となっているWeingarten18番地の家で暮らすことになりますが、二ーチェは同じ年にプフォルタ学院の寮に移っているので、この頃ほとんどこの家では暮らしていません。(プフォルタにいる間は年に37回、このナウムブルクの実家に帰省した程度です。)
 プフォルタ学院卒業後は1874年までは毎年数回、母の住むこのナウムブルクに帰省していました。また1878年以降もコンスタントに帰省していたようです。
 しかしながら、彼が最も長期的にここに住んだのは発狂後でした。彼は母の看護のもと約7年をナウムブルクで過ごしています(18905月~18977月)。

 

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  ナウムブルクとは?

 

 ナウムブルクは中世に栄えた都市です。
 
現在は、ザクセン=アンハルト州に位置しています。

 右の写真は駅のホームから見た風景です。この風景からも幾分察せられると思いますが、小規模の落ち着いた雰囲気の都市です。

 

 

 ナウムブルクのシンボルといえば、大聖堂(Naumburger Dom St. Peter und Paul(写真左)です。

 また、後期ゴシック様式の聖ヴェンツェル教会(Stadtkirche St.Wenzel) には、J. S. バッハが演奏したといわれているオルガン(写真右)や、クラーナハの絵画などもあります。




ニーチェ・ハウス(Nietzsche-Haus Naumburg

 


 ニーチェが少年期/帰省時/晩年(発狂後)を過ごした家です。

 

<ニーチェ・ハウス情報(2002年現在)>
住所:Weingarten18 06618 Naumburg
Tel.03445-201638 oder 703503
 Geöffnet Dienstag bis Freitag 10-17 Uhr,
 Samstag, Sonntag und an Feiertagen 10 bis 16 Uhr
料金は学生1ユーロでした。

 

 

 

プレートには「ここに哲学者ニーチェが住んだ/1890年から1897年の間彼の母の元に滞在するために」とあります。



 

 写真(左)のプレートには、「後期擬古典主義の民家/19世紀前半に改築/1858年ニーチェ家族によって移り住まれ、その後買い取られている/この家の中にニーチェ・アルヒーフは設立された」、とあります。
 なお現在ニーチェ・アルヒーフはワイマールにあります。しかしエリーザベトによって設立された当初(1894-96年)は、この家の1階に置かれていたのでした。
 (中央):家の中。玄関奥の階段。  (右):家の見取り図。



 

 

 写真(左):1階展示スペースの様子です。
 写真(右):ニーチェの家系図です。よく見ると、両端にかのヴァーグナーとシュレーゲル兄弟の名前があります!

 ヴァーグナーがニーチェの遠縁であったことはわりと知られていますが、この図によるとシュレーゲル兄弟とも血縁関係があるそうです。とはいえヴァーグナーともシュレーゲル兄弟とも、親戚と呼ぶにはあまりにも遠縁過ぎます。ちなみにシュレーゲルは父方、ヴァーグナーは母方の血筋です。

 

 写真(左"Krankenzimmer(病人の部屋)"と呼ばれている部屋があります。それは、上の階のベランダ横の、限りなく狭い部屋です。その名のとおり、発狂後の病人ニーチェが寝ていた部屋でした。

 写真(右):この部屋の壁に貼ってあった紙です。どうやら、ニーチェが死去したときに妹エリーザベトが出したお葬式の案内の紙のようです。紙には、
「本日正午12時ごろ、私の最愛の兄、Friedrich Nietzscheが永眠いたしました。/1900825日ワイマール、Elisabeth Foster-Nietzsche/埋葬は828日火曜日午後4時から、リュッツェン近郊のレッケンにある先祖代々の墓所にて行います」、とあります。

 

 

 

 ここは、書籍等で目にする機会が多い場所です。 
 
このベランダで、椅子に座っているニーチェをモチーフにして描かれている絵は有名です。

 

おまけ


  ニーチェ・ハウスに向かう道中で
  見つけてしまいました。

  Cafe Nietzsche

 

  立ち寄れなかったのが、残念でなりません。




・・・以上、2002年夏訪問・・・

・・・以下、2021年秋再訪・・・

Nietzsche Dokumentszentrum Naumburg Saale


  19年ぶりにナウムブルクにやってきました。

  ニーチェ研究者が集まる国際学会に

  参加するためです。

  なんといっても大きな変化は、

  ニーチェ・ハウスに隣接して建てられたこの施設。

  こちらが学会の会場でした。

 


      
      中庭から見える
 ニーチェ・ハウス

     
 会議ポスター    街なかのポスター

     
      
  ←ハウスの外壁の色が、変わっていました。   

     
 こんなものがありました。ニーチェの妹フランチェスカのパネル。   

      
 広場に設置されたニーチェと少女の像(2007年)  

     
 街で見かけたニーチェ   
  




 



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